棟方志功さんが富山県疎開時代の最後に善興寺で描いていかれた『御二河白道之柵』から生まれた邦楽「白道」を含むCDがこのたび発売となりました。これは、大谷派の坊守さんで作曲家の前田智子さんが善興寺を訪れた際、本堂にある『御二河白道之柵』を見て感動し、生まれた二十五弦箏と尺八の曲です。2008年にはこの曲を含む作品が文化庁の賞を受賞し、それを記念して本堂で「棟方志功を聞く」というコンサートも開かれました。去年はちょうどこの絵が描かれてから60年の記念の年でもありました。
この作品は唐の善導大師が観無量寿経の注釈書に著したたとえ話「二河譬」をモチーフに描かれたもので、前住職が深く関わっているご縁でジャケットのタイトルを揮毫しています。素敵な楽曲ですので、よかったらお求めください。善興寺では法要のときのBGMとして流しています。
お天気にも恵まれ、今年の報恩講も勤めることができました。富山市根塚町の圓福寺住職の巣山一哉師が、「ご和讃をいただく」と題し、三日間のお取り次ぎされました。ご出身の山形弁と富山弁が絶妙にミックスされているお話にみんなで釘付けになって聴聞させていただきました。ご和讃のお心がどれほど深いものかを味わさせていただきました。二日目の午前中は、前住職が棟方志功作『御二河白道之柵』の揮毫60年を記念して、法話を行いました。この絵が誕生した因縁を詳細に語り、また善導大師の譬喩の心と棟方志功さんの富山での経験が暗示されているのでした。また、別の機会にお伝えしたいと思います。
明日から、本願寺派高岡教区で募集した相馬組への支援米を届けに行ってきます。今日はトラックに積み込みの作業を行いました。これも帰ってからご報告したいと思います。
開山前荘厳
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揮毫60年を迎えた『御二河白道之柵』
今日、11月7日は、棟方志功画伯が、善興寺で『御二河白道之柵』を描かれてちょうど60年という記念すべき日となりました。不思議なご縁で本願寺では、今日のこの日、箏と尺八の邦楽演奏会が行われ、この絵画から生まれた曲「白道」が御影堂にて奉納演奏されたのでした。また、北日本新聞の追憶ありし日のコーナーには、前坊守の記事が掲載され、記者の書かれた文章を通して改めて偲ばせていただきました。庫裏の前では、ご門徒さんから寄進された庭石を使って石組みの庭が作られており、報恩講までにその姿が整えられます。報恩講の二日目、15日(火)午前には、前住職が『御二河白道之柵』についての記念法話を行います。いろいろなご縁が結び合わされていく不思議に、ただただお念仏申すばかりの日でした。
作庭中の庫裏前
来月の報恩講に向けた打ち合わせのため、門信徒会の中央委員のみなさんにお集まりいただきました。今月30日の日曜には、清掃おみがきの「本堂をまもる会」が開催され、来月11月14日(月)〜16日(水)は、報恩講をお迎えします。中央委員のみなさんは、準備から片付けまでのお手伝いをいただき、厳かな雰囲気の中、参拝のご門徒さんとともに親鸞聖人のみ教えを聞かせていただきます。
これから寺報『可問』121号の編集、発行作業に入りますが、いろいろな記事がすでに集まっております。今年は、棟方志功作の『御二河白道之柵』が描かれてちょうど、60年となりますので、報恩講でその記念のことができればと考えております。ご参拝をお待ちしております。
テキスト表紙
NHKラジオ第2で放送されています、「カルチャーラジオ 」で9月29日〜12月16日の約三ヶ月間、『歎異抄』と現代という講義が始まります。講師は作家の高史明(コ・サミョン)さんで、そのテキスト本の表紙に善興寺蔵の棟方志功作「御二河白道之柵」が掲載されました。NHKの方が、今回の内容に相応しい表紙を探していらっしゃる中でこの絵にたどり着かれたそうです。全国の書店で今日から発売となりました。お買い求めていただき、より多くの方にラジオを通して親鸞聖人のみ教えに触れていただきたいと思います。
「『歎異抄』は、親鸞の言葉を弟子の唯円が書き記したものといわれています。戦乱と飢きんにより荒廃した時代の中で、人間の心の闇を見つめた親鸞の深い洞察力は、今も色あせることなく人々の心を捉えています。『歎異抄』を人間の「心の葛藤」を描いた文学的にも優れた名作として捉え直し、親鸞が煩悩という心の闇とどう向き合ったのかを震災なども含めた現代的状況を踏まえながら読み解いていきます。」(NHKホームページより)