報恩講勤修
今年の報恩講が勤修されました。一日目、二日目と恒例の「善興寺荒れ」の空模様でしたが、最終日は陽射しの美しい秋晴れとなりました。多くのみなさまのご参拝をいただき、有難いご縁を数多く結んでいかれました。
今年は奥書院「濤聲軒」の築100周年という記念の年ということもあり、大正初期に書かれた書や絵を展示し、百年前の時代の雰囲気をご参拝の皆様に感じていただきました。大正二年に5歳で夭折した前住職の兄、不忘さんの絵像が残されており、この方が亡くなられたご縁で現在のいのちがつながっているのだと感慨深く拝ませていただきました。また、本願寺派の僧侶で仏教学者だった前田慧雲師の書、関西で活躍していた儒学者、藤沢南岳氏の書など、眺めていると百年前の時代の風を感じさせる展示となりました。
初日は、中田保育園の園児のみんなの参拝があり、法要の後、仏教讃歌「みていてね」を歌ってくれました。「ぼくもわたしもほとけのこ」という歌詞が胸にスーっと届きました。法話は、若院で「如来の恩徳を知る」と題し、親鸞聖人の主著『教行信証』の序をみなさんとともに音読し、浄土真宗のみ教えがどのように親鸞聖人のいのちに開いたのか、感じさせていただきました。
二日目は、氷見市中田の妙願寺ご住職、清水朗師のご法話「いのちの花を咲かせよう」を聴聞させていただきました。昨今のお骨事情や死にまつわる事例をお話し下さり、価値観の多様性の中でどのようにいのちを見つめていくのかがとても大切であることのメッセージをいただきました。
午後には、福井教区の霊河秀樹師の「ご縁を味わいましょう—法話ライブ—」を聞かせていただきました。数十年の音楽活動から生まれたギターをひきながらの法話にみなさん聞き入っておられました。オリジナルの歌や仏法に通じるメッセージを持った歌をご紹介いただきながら、阿弥陀さまの眼差し、なもあみだぶつを味わうことができました。
夕方になると土曜学校の子供たちがあつまり、お母さんたちとお斎を召し上がり、午後7時からの初夜法要では、かもん会、一日会、土曜学校合同の法要となりました。この日のために練習を重ねてきた仏教讃歌「ひかりあふれて」を最後に披露。伴奏も代表の子が上手に弾いてくれました。子供たちの可能性に感動した夜でもありました。霊河師のご法話も若い世代とともに聴聞できたこと、有難いことでした。
最終日は好転に恵まれ、落ち葉も拾って清々しい気持ちの満座法要を迎えることができました。三日間、ご法話を聴聞し、精進料理の報恩講料理をいただいて、心も体も阿弥陀さまの願いに包まれリフレッシュした気持ちにさせていただきました。ようこそのご参拝でした。また、役員の皆様、台所の皆様、大変お疲れさまでした。