8月の二十八日講

By , 2014年8月30日 12:12 pm

朝晩過ごしやすくなりました。が、今年の夏は本当に不安定なお天気ですね。7月20日未明には、中田地区を含む庄川東部地域が集中豪雨に見舞われ、善興寺も庫裏全面が床下浸水をする被害を受け、風通しの悪い玄関、台所部分にカビが生える、電気機器が故障するなど、事後の対応に結構苦労しました。全国的にも広島市の土砂災害のように甚大な被害を知るにつれ、人間の営みの因縁を考えさせられることが増えます。

今月の二十八日講は、「いのちのおにぎり」と題して今年2月に豪雪に見舞われた福島市で起きた心温まるお話をご紹介させていただきました。福島市を通る国道4号線を走る車が豪雪によって身動きできなくなりました。それを見た4号線沿いにある福島市松川町の仮設住宅に入居されていたみなさんが、炊き出しを行い、おにぎりを作って一台一台に配り歩いたのでした。そのなかに糖尿病の持病を持つ運転手さんが低血糖の状態になり、意識を失いかけていたそうです。そこへおにぎりが届けられ、いのちを救われた、というニュースが福島のラジオ局から発信されて、全国に報道されたのです。そのおにぎりを作られたのが原発事故によって全村避難となっている飯舘村の方々で、そのとき使われたお米が本願寺派高岡教区からお届けしている支援米だったのです。

避難されている皆さんは、事故後全国からいただかれたご恩返しというお気持ちでされたようですが、御布施の心がリレーのようにつながった有難い出来事だなと感動いたしました。

後日談があり、そのお話を知った広島の紙芝居作家さんが、「おたがいさま 命のおにぎり」という紙芝居を作成され、仮設住宅のみなさんへ届けられたというニュースを知りました。

阿弥陀さまのお心そのものが働いて下さる世界を聞かせていただいている私たちですが、善意そのものも独り働きするのだということを教えていただきました。

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