イラクNGO代表緊急来日講演会
今、世界中で話題の「イスラム国」(ISIS)の破壊活動によってシリアとイラクの人々が家を追われ、多くの犠牲者が生まれていることはご存知のことと思います。今回、イラク国内で発生している避難民を救援するための支援を呼びかけに、イラクのNGO団体「イサーン」の代表、アリーさんが緊急来日。砺波市の真光寺さんを会場に昼と夜、二回の講演会が開催されました。
イラク人の方から直接現地のお話を伺うことはなかなかできない中、善興寺とも縁の深い、日本国際ボランティアセンター(JVC)の谷山由子さんからお話をいただき、有縁の方に呼びかけて実現した会です。
イスラム国という組織はどういうものか、イラク国内でもどの地域が彼らに制圧されているのか、ヨーロッパの人々もイスラム国へ参加している現状等、貴重なお話をたくさん聞くことができました。とくに家から逃げるのは、女性と子どもで男性は家を守るために残るそうです。しかし、イスラム国の兵士がやってくると、イスラム国へ参加するか、殺されるかの選択に迫られ、仕方なくイスラム国へ参加させられる人が多いという現実を聞きました。つまり、イスラム国の構成員は、自分から志願して参加している人と、嫌々ながら参加させられている人々がいるというのです。しかし、それらをすべて同じ「イスラム国のメンバー」として見なし、アメリカやイラク国内の兵士掃討作戦をします。加えて宗派間の対立も相まってと、とても複雑な現地の状況を初めて聞かせていただきました。
アリーさんのお話によると、自爆テロを行うような過激派は、コーランの教えを歪めて解釈し、(例えばジハードという言葉は「聖戦」ではないことなど)人々に押し付けて、暴力の正当性を説くとか、多くのイスラム教徒は平和的で穏健な人々が多いのにそれが伝わっていないことを嘆いていました。私たちは限られた情報のなかで抱く印象でイスラム教徒のことを偏見で見ていたということを教わりました。アリーさんは自分自身のことを「ピースメーカー(平和を生み出す人)」として神様から使命を得ているといい、絶望的なイラクの現実の中に子供たちを中心とした平和活動を展開したいと仰っていました。仏教の教えとイスラムの教えを共に聞き合い、現地の支援につなげればいいですね、と意見交換をしました。
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