今日の月忌参りをもってちょうど50回忌を迎えられたお宅がありました。お参りが終わった後、その方が臨終のときの様子を今でも覚えておられるというお話を聞き、「紅い顔から土色の顔色に変わった」のを覚えているとおっしゃっていました。白骨章には、臨終の瞬間について「紅顔むなしく変じて桃李のよそほいを失いぬるとき」と説かれています。また、奥さんがおばあちゃんの臨終について記憶されていることをお話になり、その先の「ひとつの息長く絶えぬれば」とある文を思い出しました。死の瞬間を色彩で表現する面と、呼吸で表す面がそのご家族の記憶と重なり、白骨章の的確な表現を改めて味わった日でした。ゴールデンウイークも終わり、快晴に恵まれた五月晴れの空に鯉のぼりが活き活きとたなびいていました。
昨日の花まつりには多くのご参加、ありがとうございました。お天気にも恵まれ、空に舞い上がるチューリップの花びらも輝いていました。今日も、とても忙しい日でしたが、多くの方との出会いの日でもありました。午前中にお葬式とご法事、午後から初七日のお参りと、ご法事、そして還骨のお参り。悲しみと分かれのご縁が、さまざまな出来事を結んでくださいます。「死んだらおしまい」という人間中心の発想の中からは想像できない「亡くなってからはじまる」はたらきを感じていく集いがご法事なのではないでしょうか。お集りのご親戚のみなさんも僧侶もその厳粛な事実に静かに耳を傾ける。そのことが私たちのいのちを育み、人間を人間たらしめているのかもしれないと感じた一日でした。
さて、今日は、東京の築地別院で、XJAPANのHideさんの13回忌が勤まったようですね。3万5千人もの人々が参拝されたとのこと。先日、研修会で本堂にお参りした時、一角にHideコーナーがあったのを思い出しました。いつまでも忘れずそのひとのことを思い続ける、人間にだけできる営みですが、それを超えていく道に出会うことこそ本堂でお参りしているということの意義ではないでしょうか。
午後6時半からの花びらちぎりの直前、大雨が降り、花まつりの行事をお祝いするかのような「甘露の雨」に感じました。チューリップを花びら一枚ずつちぎり、明日の散華につかいます。花粉で真っ黒になるのを防ぐために、ゴム手袋をはめ、大人もこどももいっしょに黙々と作業に集中しました。今年は、先日の宇奈月の善巧寺さんで若坊守が見てきた、「花アートボード」に初挑戦。ベニアにドリルで数百の穴をあけ、そこに花の茎を差し込みます。色を分けることで文字や絵を描くことができるのです。ところが、ドリルの口径が茎よりも小さく、差し込むのに一苦労。子供たちの力ではちょっと難しかったようでした。来年はもう少し大きな穴のあけられるドリルを用意したいと思います。いずれにせよみんな大変がんばりました。明日は快晴のもと色鮮やかなお祝いができると思います。明日の投稿もおたのしみに!!
明日の夕方6時30分から本堂にて、あさっての中田仏教会主催「花まつり」でまく、チューリップの花びらちぎりをします。砺波では現在、「チューリップフェア」が開催中ですが、砺波のチューリップ農家さんたちは、来年の球根収穫のため、見事に咲いた花を刈り取り、捨ててしまうのです。これはもったいない!ということで砺波のご住職にお願いして近年、大量のチューリップのお花をいただいています。ぜひ、ご参加下さい。ただし、花粉で指先は真っ黒になります。