親鸞聖人を語る夕べ&相馬移民200年記念シンポ
昨夜、放射能汚染によって全村避難を余儀なくされている福島県飯舘村より、善仁寺住職で飯舘村村役場職員の杉岡誠さんを講師にお招きし、西本願寺高岡会館の報恩講のお初夜「親鸞聖人を語る夕べ」が開催されました。750回大遠忌法要の年ということで、宗祖讃仰作法の音楽法要でのお勤めがあり、その後、杉岡住職のお話を聞きました。
まず、先日、高岡教区から支援米を届けてもらったことへの謝辞と、飯舘村のご門徒さんたちが、大変喜ばれたことを寄せ書きからご紹介されました。お米を提供して下さった方々もお参りで、直接お礼のお言葉をいただけたことが有難かったです。そして3月11日に何がおこったのか、その後、原発事故の村への影響などを体験から分かりやすくお話しくださいました。東京工業大学大学院で核物理を専攻されていた科学としての視点から、冷静に事故の被害状況を測定し、村民の不安と向き合われたのでした。県も国も村に情報を伝えなかったことで多くの村民が大量の被爆をしてしまったことへの悔いを吐露されました。全村避難完了までに5ヶ月もかかった対応の遅さから、日本がいかに原子力災害に対して無知で、無防備だったかが明らかになり、これから一人一人が物理を学び、核に対する知識をもってこの問題と向き合っていかなければならないとおっしゃいました。原発の是非については、わからないと仰り、今は、明日を生きることで精一杯で、反原発の立場に立って行動するような余裕はない、といわれました。この言葉を聞いて、私たちは、避難している方々の立場でこの問題を考えていない面があるのかもしれない、と教えていただきました。
そしてこの移民の歴史から支援活動が展開していくことへの期待と、行き先の見えない、今なお被ばく環境下におられる方々を短期間でも富山に招くようなプロジェクトの提案もありました。これからが原発災害の被災者が本当の支援を必要としています。今回のご縁をさらに広げて私たちのできることを共に考えていきたいと思います。「今回のようにつながることで被災者は、苦悩の中にあっても一人ではないという大きな励ましをいただくことができる」というお言葉から逆に私たちが励まされたのでした。
そして今日は、真宗大谷派の城端別院善徳寺さんで、お東さんの有志の方々の主催で、移民200年記念シンポジウムが開かれ、木村宣彰前大谷大学学長、相馬移民の研究をされている郷土史家の千秋謙治さん、杉岡さん、コーディネーターの太田浩史さんの4名でいろいろな視点から今回の問題を考えるご縁が結ばれました。東西の本願寺僧侶、門徒さんたちが相馬の地へ行かれたことから始まったこれらのプロジェクト。浄土に先往かれた先人たちのはたらきに包まれてつながっている不思議な温かさを感じた両日でした。
[…] に「原子力災害の今」と題したお話を伺いました。杉岡氏は昨年の高岡教区の西本願寺高岡会館の報恩講に講師としてお招きして支援活動を通して交流を続けている方で、初代は高岡教区 […]