東北教区相馬組のみなさん来県
6月11日、東日本大震災、福島第一原発事故によって被災、避難を余儀なくされていらっしゃる相馬組(そうまそ)の本願寺派の僧侶、門信徒のみなさんが、はるばる高岡教区にお越しになられました。真宗移民200年記念の団体参拝旅行として初代のご先祖が出られた土地を訪れ、お米等の支援に対するお礼参りがしたい、との趣旨で企画された旅行です。
高岡教区はこのご先祖からのご縁で、支援活動を続けてきていますが、こちらから赴くことと向こうからいらっしゃることで、古くて新しい交流の輪が始まったように思います。みなさん、避難中のなか、さまざまな苦悩を抱えながらの訪問です。富山に来られていろいろな憶いを巡らされたことでしょう。
午前中には、富山別院と西本願寺高岡会館に参拝され、
瑞龍寺見学、勝興寺参拝、そして雨晴温泉「磯はなび」に宿泊されました。若院も教区の関係者の一人として懇親会の場に赴き、みなさんとしばしの交流のときを過ごさせていただきました。今回の交流会でうれしかったのは、下麻生の最円寺の高桑住職が参加され、約200年前に最円寺さんから相馬へ移民して建立された勝縁寺の湯澤住職と再会されたことです。相馬移民の歴史がお二人を通して新たな形で結ばれたように感じました。
原発事故の問題は全く改善されず、除染も進んでいない、環境省が約束を守らない等、みなさんの置かれている状況は増々厳しくなっていることなどをお聞きしました。耳を傾け続け、伝えることを続けなければなりません。
ご住職たちとのお話で葬儀の際お唱えする「路念仏」の話題が持ち上がりました。なんと!相馬では近年まで越中節といわれる「路念仏」が唱えられていたとのこと。一緒に「南〜無阿弥陀〜仏」と唱えてみるとほとんど節が同じではありませんか!そうですよね。200年前、越中のお経の唱え方をもって向こうへ行かれたのです。200年くらいでは変わらぬ世界をご先祖から教えていただいたような感覚をいただきました。
話はつきませんでしたが、相馬との支援、交流はこれから新たな局面に入った、そういう再会の場でした。ようこそいらっしゃいました。