Posts tagged: 御文章

報恩講参りにて

By , 2010年12月2日 4:15 pm

准如上人の花押

いよいよ師走に入り、連日、報恩講参りの日々を過ごしております。そんななか、正信偈をお勤めした後、法話があり、御文章の拝読があるのですが、とあるお宅のご文章が非常に古いものであることに気づきました。

本願寺第12世の准如上人の花押が刷られたものです。准如上人は、1577年〜1630年の方で、石山合戦で織田信長と争った第11代顕如上人の第4子です。長兄の教如上人が12世を継承しましたが、豊臣秀吉によって退き、東本願寺を立てました。つまり東西分派のとき、教如上人に代わって Continue reading '報恩講参りにて'»

桃李のよそほい

By , 2010年5月5日 10:05 pm

今日の月忌参りをもってちょうど50回忌を迎えられたお宅がありました。お参りが終わった後、その方が臨終のときの様子を今でも覚えておられるというお話を聞き、「紅い顔から土色の顔色に変わった」のを覚えているとおっしゃっていました。白骨章には、臨終の瞬間について「紅顔むなしく変じて桃李のよそほいを失いぬるとき」と説かれています。また、奥さんがおばあちゃんの臨終について記憶されていることをお話になり、その先の「ひとつの息長く絶えぬれば」とある文を思い出しました。死の瞬間を色彩で表現する面と、呼吸で表す面がそのご家族の記憶と重なり、白骨章の的確な表現を改めて味わった日でした。ゴールデンウイークも終わり、快晴に恵まれた五月晴れの空に鯉のぼりが活き活きとたなびいていました。