2016帰真慶讃法要

By , 2016年7月11日 6:54 am

s-IMG_1673今年の帰真慶讃法要のご講師は、木村宣彰先生にお越しいただき、「浄土真宗は大乗のなかの至極なり」と題して記念講演をいただきました。先生は、善興寺の寺報『可問』の題字について触れられ、「すべからくよく仏に問うべし」という無量寿経のお言葉が、浄土真宗の生き方としてとても大切であることを重ねておっしゃられました。

親鸞聖人がおっしゃられた「浄土真宗は大乗のなかの至極なり」というお言葉から講題を選ばれ、なぜ大乗仏教の中の至極なのかという理由をお話しくださいました。

正信偈の「如来正意興出世 唯説弥陀本願海」の「如来」を釈迦→如来、如来→釈迦と何度も書き直しておられる点、本願海の箇所も本願海→一乗海、一乗海と本願海となんども書き直しておられる点から、親鸞聖人がこの箇所をとても大切に考えておられたことをご紹介いただきました。浄土真宗の教えを決定づける重要な箇所であることを再確認いたしました。

また、真宗とは「まことのむね」という意味で、大切なものを「むね」といい、真実の方向に進むということが「帰真」ということではないか、この法要の目的を先生の視点から問い直していただきました。

そして御文章の「聖人一流章」の成立背景として、文明3年(1471)
の帖外の御文章を紹介され、蓮如上人が教化されていた時代、加州・能登・越中の地域では、門徒も僧侶も仏法の理解にばらつきがあり、他力の信心ということがよくわかっていなかったことに対して示されたお手紙であるということを教えていただきました。

先生の豊富な知識と真宗の信心の肝要をお聞きし、浄土真宗に帰依された善興寺第41代の俊乗法師のご苦労に感謝し、ともに浄土に往生させていただく道をさらに明らかにさせていただこうと思った記念講演でした。

紹介頂いた蓮如上人の和歌

「いまははや 八十路にちかき 老の身の いつをかぎりの 世にはすむらむ」

「後の世に、我が名を思い出しならば、弥陀の誓いを深くたのめよ」

 

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