若神組 御同朋の社会をめざす運動研修会

By , 2014年2月26日 5:18 pm
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講師の問題提起に耳を傾けるみなさん

善興寺が所属する若神組(じゃくじんそ)の研修会が運源寺さんを会場に開催され、組内の僧侶、門信徒が集い、「過去帳又はこれに類する帳簿の開示問題」について学びを深めました。この研修会は2012年にNHKの番組で俳優が、自分のルーツを探しに広島県の本願寺派寺院をアポなしで訪ね、寺族が「過去帳」をカメラの前に示し、全国に放送されたことに端を発する問題を取り上げたものです。

私たちの教団は、門徒さんたちの身元調査に対し、過去帳を見せることで、部落差別に加担する行為を行ってきました。その反省に立ち、本願寺派では、2008年に「過去帳及びこれに類する帳簿の取り扱い基準」を設けて、過去帳やそれに類する帳簿に記載されている内容は、公開しないという原則を守ってきました。ただし、書面にてその目的・対象などの明示があった場合、門徒さんの直接の先祖に関する部分の抜き書き等を限定して開示できるとしました。しかし、今回の問題は、その原則が宗派内に徹底されていないことを露呈した形になったのです。

これは寺族の認識不足の問題と同時に、門信徒へ過去帳とは何かということを知らせてこなかったことがあると思います。また、門信徒への身元調査を行う興信所が寺を利用しているケースも紹介され、部落差別問題が過去の問題ではなく、現在の問題であることを学ばせていただきました。参加者の中には司法書士や行政にかかわりの深い方もおられ、班別討議では、様々な角度からの「過去帳」問題を知ることができました。

阿弥陀如来の本願は、差別のない社会を願われたものです。無知から生まれる差別問題の具体的な例を通して、念仏の教えに出会うということの意味を問わせていただきました。

 

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