Greetings for the New Year

By , 2011年1月2日 4:45 pm

大晦日に降った雪は、除夜の鐘の響きともにゆきし年への化粧となって厳かな気持ちにさせてくれました。新年の幕開けとともにみなさんと唱和させていただいた正信偈の声に、このいのちを生きるよろこびをかみしめました。

本年もよろしくお願い申し上げます。

元日より多くの方が年頭のご挨拶に来寺され、囲炉裏端での会話には、いろいろな話題がでます。家族のこと、去年の出来事、これからのこと…。でも、なかなか仏法のことは出てこないものですね。

蓮如上人は、新年のご挨拶に参られた門弟の道徳という方に明応二(1493)年の元日、「道徳は今年でいくつになられたか。道徳、念仏申されよ。それについても自力の念仏と他力の念仏とがあるが、自力の念仏というのは、念仏を多く申して仏の方へ振り向け、この称名の功徳によって仏がたすけてくださるかのように思って称えるものである。他力というのは、弥陀をたのむ一念の信心がおこるとき、そのとき直ちに御たすけに与かるのであるから、そののち念仏申すのは、はや御たすけいただいたことのありがたさよと思うこころを、口に申してよろこぶばかりで、南無阿弥陀仏に何ら自力を加えないこころである。そういうわけで、他力というのはまさしく他の力という意味である。弥陀をたのむこの一念が、臨終まで末とおって往生させていただくのである」と、年が明けておめでたいといって浮かれている気持ちに鋭いメッセージを送られました。年を重ねる現実と、死への歩みを見つめるなかでお念仏の意味を問い続ける生き方を正月にこそ考えましょう、とのお言葉でした。

食っちゃ寝の正月になりがちな時こそ、自らを問う機会にしたいものですね。今年はいよいよ親鸞聖人75o回大遠忌法要の年です。皆さんとともにご本山へ参りましょう。

除夜会の一こま

コメントをどうぞ